|
先週、ちょっとした仕事が片付いたので、幾許か気が楽になった。休日の今日は朝からパソコンに向かいひたすらジャズを聴きまくっている。殆ど最近買った盤には手付けづな状態で、増殖するばかりのCDがデスクの半分を席巻、マウスを動かすのさえ難儀をするようになった。 アナログ・オリジナル盤しか興味のないマニアには何ともレベルの低い話で恐縮であるが、最近、ある一枚のCDの発売で複雑な思いをしている。 Ilene Woods 『It's Late』である。ある程度のジャズ・ヴォー・マニアで有れば言うまでもなく是非とも手許に置きたいと願う、内容と見栄えの良さを兼ね備えている50年代ジャズ・ヴォーの名盤である。国内盤では発売がないと思うが、10年以上前、東芝EMIが20枚ほどアナログでヴォーカル復刻盤を出した際、15枚を購入するとこの復刻盤をプレゼントするという特典盤商法を画策した(笑)ことがあった。 特典盤とする位であるので、希少であるのが要件。勿論私は所持していなかったため、発売された20枚、残念ながら殆ど欲しいところは所有していたが、これ欲しさに15枚を買ったのである・・・と言いたいところであるが、流石にぐっと堪えて愚かな衝動と戦った。半数所持していなかったら多分、きっと欲しくもない15枚を目を瞑って買ったのではないかと思う。 そう言うことで何とも気がかりな1枚がこのジュビリー盤 Ilene Woods 『It's Late』であった。以降、ヴォーカル・アナログ盤の餌箱を渉猟する日々が続き、労苦の甲斐あり数年前、めでたく入手がなり、心の平静を得たという訳である。勿論オリジナル盤ではなく『特典盤』である(笑) そういうIlene Woodsであるが、この曰くつき盤があのLP Time RecordsからCD発売されていたのである。『廃盤ジャズCD倶楽部』を独り標榜する私としては、アナログを所持しているからと言って本当に気に入った盤はCDで所持しなくていいという道理が見つからない。何はともあれCDを即ゲットしたのは言うまでもない。 この類まれな愛らしくも清楚な歌声、アルバゲッティよりも表情豊か、J.ロンドンよりも理知的、S.レイニーよりも愛らしい。CDで繰り返し聴き、最早手放せない1枚となった。本当に気に入った盤はアナログとCDの双方で所持しているが、こういう心から好ましい盤が増えるのは嬉しい。じっくりジャケを眺めながら至福のひと時を過ごしているのである。CDで聴きLPで観る。故障していて修復予定の無いアナログ・プレイヤーでは心ゆくまで愛らしい歌声を堪能できないのである。但し、CDジャケにはJubilee LP 1046 の印字がなく、少し寂しい。 聴きこむほどにその素晴らしさに心震える。これほどの優れ盤が、何故にもっと早くにCD化されなかったのだろう。CD化を拒む何かアナログ勢力の画策があったのだろうか(笑)、CDでその素晴らしさが広く知れ亘ったほうがよりオリジナル盤の価値が上がるというものである。もっと言わせて頂ければ、何故に東芝EMIから出せなかったのであろう。等々、素人的な考えが過る。それにしても It’s Too Late である。 Ilene Woods 『It's Late』(Recorded 1957 ) Jubilee1046
|