無料カウンター 満天ジャズCD倶楽部 2010年02月
 
 
 

■Profile

山帽子
  • 山帽子
  • ジャズの話題が中心ですが、時として話題はあらぬ方角へ飛ぶこともあります
                
  • RSS


  • ■Link

  • ゴイス音楽日記
  • 中年音楽狂日記
  • A Place In The Sun ~マイナージャズレコードの世界~ 
  • 豆腐に柳
  • 二流ジャズの愉しみ
  • Todo Sobre Mi Musica
  • Jazz from 43rd parallel north


  • ■Search



    ■--/--/--(--) スポンサーサイト

    上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
    新しい記事を書く事で広告が消せます。

    --:-- | トラックバック(-) | コメント(-) | スポンサー広告 | Page Top


    ■2010/02/24(水) ジャズ・ヴォー・アラウンド(2)

    やはり落ち着くのは人の声である。どんな楽器も敵わないなぁと思う。今流行りのキュートなジャズ・ヴォーも悪くはないが、深夜、ひっそりとヘッド・フォンで聴くのは深くて寛ぎのあるヴォーカルに限る。最近ではHalie Loren がピカイチの出来だろう。奥深い陰影ある艶やかな声質に表現力豊かなセンシティヴな抑揚のある歌唱力、歌伴をシンプルなピアノ・トリオ中心にしているのも好い。まさに痺れるヴォーカルとはこういう盤である。"Summertime"を一聴して全くKOされてしまった。ジャズ・アラウンドを題した手前、これ以上の紹介は避けるが、ジャズ・ヴォーには陰影が必須である。

    さて、今回の盤であるが Halie Loren により深みと包容力を加えたかのブラジルのヴォーカリスト Alda Rezende の作品である。ブラジルと言えばブラジリアン・ミュージック、勿論彼女はジャズ・ヴォーの唄い手ではない。しかし、上手い唄い手は素材を選ぶものではない。殆どがブラジル産の音楽であるがジャズ色のフレイヴァーが香ばしい。歌判はニュージーランドのセンスあるピアニストJonathan Crayford のみであるが全く不足を感じさせない。これにはピアノのジャズ的技量も然ることながら、圧倒的に存在感あるヴォーカルに拠るところは大である。何という深みある寛ぎ。多分キュートなヴォーカルだけを良しとするファンには理解されることはないだろう。

              Feb20_04.jpg   
          Alda Rezende&Jonathan Crayford
                『Madrugada』
     (2003、2004録音 Do Brasil Musica DBR0014)
      
       #1  Joana Francesa   #3  Janet
        #4  Besame Mucho   #6  Ne Me Quittes Pas
       #7  Virtual         #10  Big Foot    

    そしてもう一枚は、知る人ぞのシャンソン歌手(?)Juliette Grecoのローマでの50年代ラジオ音源集。5年ほど前、ジャケの様子が好いので不純な思いで購入したが、聴いてみてこれまた一発でKOされた。小悪魔的なキュートさと場末の飲み屋にいる娼婦の様な蓮っ葉さが堪らない魅力となった。ところどころに自身による曲紹介のナレーションが入っている。言葉は理解できないが、何を語ろうとしているのかは凡そ判る気がするのが面白い。因みにアイ・ポッドではアルファベットで行くと彼女の前がJulie London になり、甘さの次にくるJuliette Grecoの堅い苦さが堪らない。

           Feb20_03.jpg
                 Juliette Greco
              『Rive Gauche On Radio』
    (1952、1953年録音 Twilight MusicTWICD AS0416) 
                  All Tunes 

    *予告の一枚は後日のアップとさせて頂きます。


    スポンサーサイト
    23:39 | トラックバック(0) | コメント(1) | Vocal | Page Top


    ■2010/02/22(月) 引き籠り雑感

    人はどうも我儘な動物らしい。聴きなれた音楽には飽き、いつも何か新しい刺激を求めて止まない。例えば万華鏡のような変化にでさえ何遍かの変幻に感動はするだろうが直ぐにそのパターンに飽きる。もっと根源的な変化を欲するようになる。片や、古くて形式ばった音楽に執心したりもする。時代ものの陶器を愛でるように変わらぬものへの愛着を抱いたりと理解を超えた動物である。やはり我儘ということに帰結するのだろう。

    風邪がよくならないので、休日の今日は終日家に引き籠った。家人は出払い、久しぶりに独りで過ごすこととなった。撮り溜めていたテレビ番組をぼんやりと見ていた。カーテンを引き電燈も点けず、さながら引き籠りの青年のように居た。実のところ明るい場所は好きではない。活字が読めるくらいの明るさがあればそれで好いので、吝嗇ではないが陽が陰ってもギリギリまで電燈は点けない。そんな根暗な私とは対照的に家人はある限りの電燈を点ける。蛍光灯に加えダウンライトまで点ける有様である。落着きというものを知らないのだろうか?

    我儘の話と根暗の話の接点が見つからない。これも風邪の影響に他ならない。

    そう言えば過日聴いたフランスのピアノ・トリオであるが、幾つか同じ味わいの音楽を聴いたことがあるのだが、上手く想い出せない。今、Serge Moulinier Trio『Sens-Cible』という盤を取り出してみたが、これなどは幾分ポップでカラフルな色合いとなっているが根底的に同じ匂いのする音楽である。

                      Jan14#06
                          Serge Moalinier Trio
                             『Sens-Cible』
                   (1995年録音?  Alba Musica MU 591102 )
                        #1 "Bluesart"
                        #2 "African People"
                        #3 "Pas De Cinq"
                        #6 "Starting"
                        #7 "I Think Of You"
                        #8 "Manu"


    00:11 | トラックバック(0) | コメント(0) | Favorite Rare CD | Page Top


    ■2010/02/21(日) ジャズ・ヴォー・アラウンド(1)

    この上ない美形が唄うハスキーなジャズ・ヴォーを聴きながら美味しい紅茶でも飲み、まったりとした昼下がりを過ごすのが正しい休日の過ごし方ではなかろうかと愚にもつかぬことを考えたりする。思うにピアノ・トリオを聴く態勢とヴォーカルを聴くそれとでは明らかに違いがある。嘘のような本当の話に、動物の象を見ると血圧が下がるという話がある。おおらかな体型に安心感を感じるからだろうか。かように血圧は極めてメンタルな事で数値が動くと言われるが、ジャズを聴くときの血圧を計測すれば明らかにピアノと比べヴォーカルを聴くときのほうが低下すると思う。んっ、いや、逆かも知れない?(笑)

    そういうことで、今回はジャズ・ヴォー盤を特集したいと思う。しかし、これぞジャズ・ヴォーというジャズ・ヴォーも好いが、外周にある小味の効いたジャズ風味のある盤も捨てがたいものだ。へそ曲がりな私は寧ろこういう盤にこそ惹かれてしまうのである。

    ボサ・ノヴァは嫌いではないが、それほど詳しくはない。今回の盤はNorma Benguell 『Ooooooh!Norma』という1959年録音の盤である。こうした盤に巡り合うと、シルヴィア・テレスやナラ・レオンばかりがボサ・ノヴァではないのだと思い知らされる。これはビル・エヴェンスばかりがピアノ・トリオでないのと同じで、どんなジャンルにも奥行きがあるのだろう。

    その手の本を見るとNorma Benguell はショーガール、セクシー女優らしく、そんな女優さんの企画的なボサノヴァ盤とのことである。ここで注目すべきは1959年という録音年である。ボサノヴァの先駆と言われるシルヴィア・テレスのLP初盤が1957年、ナラ・レオンでさえ1964年がデビュー盤となる。また、あのジョアン・ジルベルトの初盤が1959年であることを考えると如何に先駆的な盤であるかがわかる。しかし本業でないところが災いしてか評価は低いようだ。それにしても、このハスキーな声質はどうだろう、#1 "Sucedeu Assim"を聴くと、このままジャズ・ボー歌手として何枚かアルバムを発表していたなら、後世に名を残すジャズ・シンガーとなったであろうことは想像に難くない。それほど魅力的な声質であり歌唱である。

    片やこの一枚という幸せ・・・古き盤に巡り合う時、この今ある魅力を最大限満喫するのが礼儀であろう。
    "光あるうちこの光の中を歩めよ" とは誰の言葉であったか?

                    Feb20_02.jpg            
                           Norma Benguell          
                          『Ooooooh!Norma』
                        (1959年録音Odeon 541532 2)
                    #1 "Sucedeu Assim"
                    #4 "On The Sunny Side Of The Street"
                    #5 "Eu Preciso De Você"
                    #7 "Sente"
                    #8 "Fever" 
                    #10 "You Better Go Now"
                    #12 "Drume Negrita"


                  
       

     

      
    01:46 | トラックバック(0) | コメント(0) | Vocal | Page Top


    ■2010/02/20(土) 或るフランスのピアノ・トリオのこと

    最近、聴く音楽の殆どが、典型的な今の欧州のピアノ・トリオとなってしまった。欧州のピアノ・トリオからスタートされた若きジャズ・ピアノ・ファンや主にこの手の音楽ばかりを聴かれている方には当たり前過ぎて理解できないかもしれないが『典型的』の意は、しっかりとしたクラシカルな素養に裏打ちされ、テクニカルでハイ・スキルという意味合いである。勿論こうした音楽が30年、40年と長くジャズ・ピアノを聴いてきた一部のピアノ・トリオ・ファンからは受け入れがたいものであるのも知っていて、それ故加えて『今の欧州トリオ』と云わせて頂いたのである。

                     Feb20_01.jpg
                      『Hugues Duchesne Trio』

    このブログを読んで頂いている方のご厚意で、或るフランスのピアノ・トリオを耳にする機会を得たので報告したい。

    ピアニストの名前はHugues Duchesne、それにManuel Marches(b)、Pascal Rey(ds)という面子によるピアノ・トリオである。私が頂いたCDRには4曲が収録されていた。一聴して上記で言うところの典型的な最近の欧州ピアノ・トリオであることが感受される。Webで検索するとジャケは違うが同名義で某DU廃盤セールに出品されていたようである。

    #1 "Nuees" ミステリアスなピアノ・イントロから始まり30秒を過ぎたあたりから美しく清んだ曲調に流れが変わる。このメロディが主旋律となり、さながら急流が大きな巌にぶつかるかの激しい演奏や緩やかな流れにたゆとう様な美しい演奏がクラシカルな楽章のようである。物語性に富みジャズ云々という域をはるかに超えた、素晴らしい『音楽』と言える。

    #2 "Leon" 荘厳なピアノにアルコ・ベースが絡む幕開けが1分、#1 同様、向日的な曲調の旋律が謳歌される。ピアノは水を得た魚のように跳躍し煌びやかに泳ぐ。明日もきっと美しい一日が来ることを疑いもなく思わずにいられない好い演奏である。

    #3 "Coeur De Guerrier" 根暗な私は好ましい曲である。#2 同様少し重厚でミステリアスなイントロから始まり1分を超えたあたりから得も言えぬ美曲に変奏する。ピアノの紡ぐ旋律が心の柔らかなところをピンポイントに衝く。徐々に熱さを帯びるピアノにベースとドラムスも応え、まさに三位一体となった演奏が繰り広げられる。

    #4 "Trois Courages" これも好きな曲だ。お決まりなイントロは同様だが、ベースに導かれた旋律は思わずハッとするほど美しい。あらぬ異次元へ踏み入ったかの錯覚。3分後半より熱気を帯びる演奏は終盤になだれ込んでゆく。これはジャズの熱気に外ならない。

    4曲とも総体、旋律のヴァリエイションがしっかり構成され、統制された叙事詩のようで実にドラマチックな演奏である。

    SSさん、素晴らしい音楽を有難うございました。
    心よりお礼申し上げます。また、何か好い音楽がありましたらご紹介頂ければ幸甚です。


    13:46 | トラックバック(0) | コメント(0) | Piano | Page Top


    ■2010/02/14(日) 哀愁のアコーディオン

    今日、義父の三回忌に行く。檀家となっている古い寺のお堂の中、親戚が集い読経を聴いた。敢えて聴いたと記したのはお経が音楽のように聴こえたためである。以前どこかの本にお経は音楽の要素を多分に採りいれたような事が書かれていた。こうしてライブ(笑)で聴くと、まさにメロディアスで抑揚のある発声法を学んだかの読経は古く庶民への布教的・啓蒙的な意味で耳に馴染みやすい形態を採ったであろうことは容易に想像できる。

    さて、突然だが、今回はアコーディオン盤を特集したい。お経とは全く関係ないのだが。

    アコーディオンが好きなのはコミック・バンド好きが昂じた訳でも、ましてや横森良造が好きだからという訳ではない。何時何処で聴いたのか覚えてはいないが古いフランスの音楽であったか、ミュゼットと言う音楽であったか判らないのだが哀愁のある陰影に富むアコーディオンの音が心の奥に落ちてきて以来、その虜となったのである。ジャズに幾つかの構成要素があるとすれば、その重要な一部を担うのは哀愁感であると言える。アコーディオンではないが最近聴いた The Mark Allaway quartet 『When Time Stops』という盤などはこの哀愁感の構成比が極めて高いアルバムであった。過日、飛び乗った電車がたまたま最後尾で、過ぎて行く風景を眺めていると無性に哀しくなってきた。過ぎゆくものに感じる惜別の感情、アコーディオンが喚起するのはまさに電車から眺める風景の喚起する後ろ向きなノスタルジーに外ならない。

     フランク・マロッコというアコーディオン弾きがいて1960年『Like Franco Marocco』(Verve MGV2135)という盤を吹きこんでいて再発盤が1994年アナログで国内発売されている。ヴィクター・フェルドマン(Vib)、アル・ヘンドリクソン(g)等が参加しており、渋い一枚である。そのライナーに故斉木克己氏が、『堤琴』はヴァイオリンで弦楽器を琴で表すのは判らなくもないが、何故にアコーディオンが『手風琴』なのかという疑問を呈していた。しかし、それほど深く考えることなく『手風琴』は好いネーミングと思われる。『心の琴線』などという痺れる形容があるが、きっとどこか心の奥にピンと張った弦があるに違いない。今日もそのか細い弦を震わせる共鳴盤を求め、ひたすら彷徨うばかりである。

    そういう訳で今回はアコーディオンの後ろ向きのノスタルジックな盤を集めて見た。Mat Mathews "Two Sleepy People" や Joe Mooney "Polka Dots And Moonbeams"などを聴くと、やはり50年代録音盤が醸す琥珀色のまろやかさにうっとりとなる。これは逆立ちしても最近の録音盤が及ぶところではない。時間はそう簡単に偽装は出来ないのだ。しかし、片やTrio 202など、ユニット一体となった高度でスピード感ある演奏はアコーディオンだけではなくアコースティック楽器の可能性を示唆している。

    Feb14_10.jpg       Feb14_04.jpg     Feb14_03.jpg  
      Frank Marocco Groups           Frederic Schlick              Daniel Colin
        『Brazilian Waltz』              『Art For Art』             『Jazz Experience』
      (1979、1980、1982年録音   (2000年録音RDC Records 40070-2)  (1991年録音 ILD 642117)
    Discovery Records DSCD-949 )  #14 "Augsburg Meeting"           #2 "What New"
    #1 "Sweet Gorgeous George" 
    #9 "My Desiree"
    #14 "Reverie" 
    Feb14_07.jpg     Feb14_02.jpg      Feb14_01.jpg 
          Art Van Damme           Kurt Larsen Quartet            Mat Mathews 
         『State Of Art』                『Nuages』           『The Gentle Art Of Love』
    (1966~1972録音MPS 841413-2) (1992録音 Olufsen Records   (1950年代録音Dawn原盤 Hun House
    #18 "Ecstasy"                         COCD5137)                 32WD-7019 ) 
                           #6 "Lullaby"#9 "Silent Song"  #5 "Two Sleepy People"  
                           #11 "Trekosten"            #9 "When Your Lover Has Gone"             

    Feb04_12.jpg     Feb14_12.jpg     Feb14_06.jpg
            Trio 202                    Kilombo                         Joe Mooney
    『Ao Vivo New York & Sao Paulo』      『Bordello Music』              『Lush Life』
    (2007録音 Azul Music        (2004年録音AIM Records      (1957年録音 Atlantic原盤
                 AMCD509)              AIMCD103)         Koch Jazz KOC-CD-8524 )
    #1 "So Danco Samba"        #6 "De L'Autre Côte          #1 "Polka Dots And Moonbeams"
    #4 "Choro Do Adeus"             De Ma Fenêtre Embuee"     #2 "Nina Never Knew"
    #5 "O Morro Não Tem Vez"    #8 "Petite Fleur"             #6 "That'S All"
    #7 "Alfonsina Y El Mar"
    #8 "Meio Do Caminho"


    21:12 | トラックバック(0) | コメント(0) | Accordion | Page Top


    ■2010/02/12(金) ミルチョ・レヴィエフのデュオ盤

    雨の中、新宿DUへ行く。
    最近買ったピアノ・トリオ盤の最終曲にトラブルが出たため、もう一枚あるDUの在庫と交換してもらうためである。ついでに長年の習慣、新入荷の棚を期待もせず覗いてみる。すると背表紙がカタカナの珍しい盤が目に留まった。20年以上前に発売されたMilcho Leviev 『オラクル』、長年探しまくっていた盤がぽつりと鎮座しているではないか。ジャケに退色はなく最近発売されたシールド品のような程度の良さである。しかも安価。思わず小踊りするほど嬉しくなってしまった。
    ジャズ史的には殆ど話題に上ることもなく、奏者と題名を言えば、コアなジャズ・ファンに、何だそんなものかと軽く笑われるような盤である。しかし私的には立派な『幻盤』である。

    今でこそ、それほどの賑わいはないがMilcho Leviev と言うとA.ペッパーとの共演を含め1980年代には相当活発にアルバムを発表していた。1986年には件のA.ペッパーとの『ブルース・フォー・ザ・フィッシャーマン』(1980年録音 DIW-11 CD)、チャーリー・ヘイデンとのデュオ盤『サイレンス』(1985録音 アルファ Pan Music 32-XB109)等が発表されている。続く1987年、今回やっと入手が叶ったデイブ・ホランドとのデュオ盤『オラクル』が発売され、翌1988年には同じくデイブ・ホランドとのデュオ盤『アップ・アンド・ダウン』(1986年、1987年録音ポニー・キャニオンD32y-0175) が発売されている。

    ペッパーの盤は既に求めていたが、『サイレンス』と『アップ・アンド・ダウン』は2004年1月、町田DUの近所にあった今は無き『オスカー』という中古屋で入手をした。よくぞ記憶していたとお思いであろうが何のことはない、当時SJ社発売のデータ・ブックに購入日と購入先をコツコツと記録をしていたのである。最近、欲しい盤は一段落しているので記録をすることも、中古店を探索することも殆どなくなったが、当時は遠く町田界隈にまで足を延ばしていた。町田と言えば思い出すのが、ジャズマニアの親父さんが趣味を昂じた末に開いた中古盤のお店である。珈琲をご馳走になり幾枚か希少な盤を購入させてもらった。しかし開店したと思ったら直ぐに閉店になってしまい、つくづく趣味と商売は別物なんだなぁと感慨をした。その町田へは国立DU経由で行く事が多く、山道に続く高台から眺める夕暮が実に綺麗だった。そんな様々な想い出が湧きあがってきては胸を熱くする…それにしても昔は色々な街へ足を延ばしたものだ。水戸、足利、前橋、柏、藤沢、新潟・・・多分当時訪れた店の殆どは姿を消しているであろう・・・今やジャズ、いや音楽を取り巻く環境は大きく変貌し、昔のゆったりとした中古盤店の面影は希少な存在となってしまった。最早、当時を古き良き時代であったと懐古するしかないのであろうか・・。今まで在ったものが無くなるのは実に寂しい。

    実のところ労力をかけて入手した盤はその労力が大きければ大きいだけ高まった期待のハードルは上がり、それに副うものではなくなる。例えば上記M.レヴィエフの『サイレンス』『アップ・アンド・ダウン』などは高過ぎるハードル故、落胆を感じた盤であり、残念ながら今は手元にない。しかしこの『オラクル』、これは素晴らしく好いのである。こうして記しながらも幾度となく聴き、ライブ盤とは思えない音質の良さとデイブ・ホランドの腰のあるベースとレヴィエフの粒だった音の連鎖がメロディアスでありながらスリリングで実に申し分がない。今日まで目にしなかったのはまさにこの出来の良さ故なのだと納得したのである。

    それにしても、またあの夕陽に染まった丘の街をシミジミと走ってみたいものだ。漁盤は全く期待できそうもないのだが・・・

                          Feb11_02.jpg
                           Milcho Leviev+Dave Holland
                                『The Oracle』
                         (1986年録音 Alfa Records32XB-175)


    01:59 | トラックバック(0) | コメント(2) | Duo | Page Top


    ■2010/02/06(土) 世界の街角

    『世界ふれあい街歩き』というNHK番組が好きだ。あたかも異国の街中をぶらりと歩いているかの気分にさせてくれる。しかも派手な観光名所ではなく普段の街並みと言うのが素朴で好い。昔、あてどなく歩いたギリシャの高低のある街並みやローマの裏街を想い出させてくれる。ナレーションの吹き替えは少しだけ愛嬌のある女性が担当しており、時たま街の人との会話を織り交ぜ、瀟洒な民家の造りや魅力的な中庭、時には棲み心地の好さそうな部屋の中までカメラで紹介する。映像にBGMはなく、基本的に街の生の音を拾っている。また、民放で『世界の車窓から』という短い番組があり、ふと箸を止めて見入ってしまうことがある。この番組は逆にBGMが多彩で、乗客のプロフィルをさらっと紹介しつつ異国への憧憬を煽る。この番組はNHKの『世界ふれあい街歩き』とはスタンスが異なり、限られた時間の中でストーリーを簡潔に完結させなくてはならないのだろう。BGMが映像と相乗的に大きな効果を奏している。どちらも異国情緒を満喫させてくれる大好きな番組である。

    さて、そんな魅力的な番組に、もし音楽を選べるとしたらどんなものが相応しいだろうか?勿論音楽以上に街の生の音が素晴らしいのは言うまでもないのだが、美しい風景をより印象的にする音楽は明らかに存在する。如何にセンシティブな選曲も受け手側の感受性に拠るところは大きく、所詮はセンスとセンスとの邂逅に外ならない。

    出来の良いピアノ・トリオは味わい深い小説に似ている。静かな情熱を帯びた音の連鎖は正確な構図で切り取られた風景描写の感性に近しい。それは例えば吉田篤弘『つむじ風食堂の夜』を読み進む快感であり、あり得ない日常からの飛翔である。聴く側に何かを想起させる力が求められる所以である。

    今回も再び孤高のピアニスト(?)Stefano Battagliaの盤を採りあげたい。

                Feb07_03.jpg
             Stefano Battaglia Trio『Confession』
        (1991年録音 SPLASC(H) Records CD H 344-2)


    01:42 | トラックバック(0) | コメント(2) | Piano | Page Top


    ■2010/02/04(木) 優れピアニスト:Steve Rudolph

    古本屋に行くと本を隅から隅まで見なくては気が済まない。お店に居た客は私がそろそろ帰ろうかなと思う頃には殆ど入れ替わっており、多分店の滞留時間は相当長いのではないかと思う。背表紙を眺めパラパラとページを捲ってその本の来歴に想いを馳せたり、雰囲気のある装丁に感心したり、活字を味わったりと興味は尽きない。しかし、そんな好い本ばかりが並ぶ店はそうそうある訳ではない。どこも同じような本ばかりが陳列しているのが現実で、そんな中からこれはという気に入った本を探し出すのが最近では逆に乙なものだと思うようになってきている。宝の山にはそうそう巡り合えるものではない。

    同様、中古CDショップも全く同じことが言える。市場には駄盤ばかりが横行し、『悪貨は良貨を駆逐する』の言葉どおり本当に優れた廃盤は殆ど出回らないのが実情である。ここでいう駄盤とは世に言う大名盤や売れ線狙いの大手レーベルの麗美ジャケ盤、つまりは内容はさて置いて市場に溢れるありきたりな盤=何時でも入手可能な盤を指している。また、希少な廃盤とは字の如く優れた内容であるが訳あって入手困難=廃盤となってしまった希少性が高い優れた内容の盤を指す。その区画する一線は人によりまちまちであろうが、おおよそのラインは不文律にあると思われる。

    さて今日の一枚は最近、輸入盤界を久々に賑わせているピアニスト(?)Steve Rudolph が参加したピアノ・トリオの最高傑作である(と個人的に確信している…)ドラマー:Joe Huntのリーダー作である。この盤は#1 "I'm Glad There Is You”の頭を数秒聴いただけで如何に優れた盤であるかが確信できた。特徴的なのはその類い稀なSteve Rudolphの作曲センスと羽毛のタッチに粒立ちの好いピアノ演奏である。

                            Feb04_06.jpg
                                『The Joe Hunt Trio』
                          2002年録音 Dreambox Media DMJ-1067


    22:44 | トラックバック(0) | コメント(0) | Piano | Page Top


    |


    01 2010/02 03
    - 1 2 3 4 5 6
    7 8 9 10 11 12 13
    14 15 16 17 18 19 20
    21 22 23 24 25 26 27
    28 - - - - - -


    ■Recent Entries

  • ■Marcos Jimenez~ソロピアノの魅力(11/24)
  • ■ゆえあってエヴァンス・ヴィレッジヴァンガード・コンプリート盤を聴く(09/27)
  • ■アコギの夏 ~ラルフ・タウナー(08/08)
  • ■『Signal Sessions』の話 (07/17)
  • ■Grant Levin ~ジャズ盤蒐集再燃~(06/28)
  • Jazzお茶ノ水博士と幻のピアノ・トリオ盤の話(05/30)
  • Long Good Bye(09/19)
  • 海辺の再会盤の話(02/22)
  • 珍屋 ~"猫棚"稀少盤の話~(02/22)
  • 骨折とドン・トンプソンの話(01/25)
  • チャーリー・ヘイデン・フォーエヴァー!(01/12)
  • フランスのスタンダーズ盤 その他(01/07)
  • 謹賀新年(01/01)
  • Lina Nyberg の熟成はいつなされたのか?(12/30)
  • 深夜に聴いたピアノ・トリオ盤のこと(11/14)


  • ■Recent Comments

  • 山帽子(11/16)
  • Tetsuo Shimizu(10/13)
  • 山帽子(07/17)
  • Mae-chan(07/14)
  • 山帽子(07/11)
  • Tetsuo Shimizu(07/09)
  • 山帽子(06/27)
  • バード(06/09)
  • 山帽子(04/01)
  • バード(03/20)


  • ■Recent Trackbacks

  • 中年音楽狂日記:Toshiya's Music Bar:ピアノもヴァイブもいけてるDon Thompson(07/03)
  • 中年音楽狂日記:Toshiya\'s Music Bar:Ralph Townerの魅力(05/01)


  • ■Category

  • 音楽/嗜好別の分類 (0)
  • Favorite Rare CD (52)
  • Favorite CD Jacket (5)
  • Favorite Tune (9)
  • 音楽/楽器別の分類 (191)
  • Piano (73)
  • Bass (10)
  • Drums (0)
  • Organ (1)
  • Baritone Sax (4)
  • Tenor Sax (11)
  • Alto Sax (2)
  • Soprano Sax (0)
  • Trumpet (3)
  • Trombone (0)
  • Clarinet (0)
  • Flute (0)
  • Guitar (6)
  • Vibraphone (3)
  • Harmonica (1)
  • Accordion (3)
  • Harp (1)
  • Strings (2)
  • Vocal (20)
  • Various  (28)
  • 音楽/編成その他の分類 (23)
  • Duo (8)
  • Old Piano Trio (Piano+Bass+Guitar) (2)
  • Drumless Trio (Piano+Bass+Horn) (2)
  • Female Musician (7)
  • Japanese Musician (1)
  • Bossa Nova (0)
  • Rock/Folk (0)
  • 2Horns (2)
  • 3Horns (0)
  • 4Horns (1)
  • Big Band (0)
  • Jazz Around (0)
  • 音楽以外/その他の分類 (29)
  • Book (4)
  • Cycling (1)
  • Photo (12)
  • Essay (0)


  • ■Archives

  • 2016年11月 (1)
  • 2016年09月 (1)
  • 2016年08月 (1)
  • 2016年07月 (1)
  • 2016年06月 (1)
  • 2016年05月 (1)
  • 2015年09月 (1)
  • 2015年02月 (2)
  • 2015年01月 (4)
  • 2014年12月 (1)
  • 2014年11月 (1)
  • 2014年09月 (3)
  • 2014年08月 (1)
  • 2014年07月 (3)
  • 2014年06月 (4)
  • 2014年05月 (2)
  • 2014年03月 (2)
  • 2014年02月 (2)
  • 2014年01月 (3)
  • 2013年11月 (3)
  • 2013年10月 (1)
  • 2013年09月 (1)
  • 2013年08月 (1)
  • 2013年07月 (1)
  • 2013年06月 (4)
  • 2013年05月 (1)
  • 2013年04月 (3)
  • 2013年03月 (1)
  • 2013年02月 (2)
  • 2013年01月 (3)
  • 2012年12月 (2)
  • 2012年11月 (3)
  • 2012年10月 (1)
  • 2012年09月 (2)
  • 2012年08月 (1)
  • 2012年07月 (2)
  • 2012年06月 (1)
  • 2012年05月 (6)
  • 2012年04月 (3)
  • 2012年03月 (2)
  • 2012年02月 (2)
  • 2012年01月 (4)
  • 2011年12月 (4)
  • 2011年11月 (7)
  • 2011年10月 (5)
  • 2011年09月 (3)
  • 2011年08月 (6)
  • 2011年07月 (5)
  • 2011年06月 (5)
  • 2011年05月 (3)
  • 2011年04月 (4)
  • 2011年03月 (2)
  • 2011年02月 (3)
  • 2011年01月 (6)
  • 2010年12月 (4)
  • 2010年11月 (4)
  • 2010年10月 (6)
  • 2010年09月 (7)
  • 2010年08月 (5)
  • 2010年07月 (8)
  • 2010年06月 (8)
  • 2010年05月 (3)
  • 2010年04月 (4)
  • 2010年03月 (5)
  • 2010年02月 (8)
  • 2010年01月 (5)
  • 2009年12月 (6)
  • 2009年11月 (10)
  • 2009年10月 (5)
  • 2009年09月 (4)
  • 2009年08月 (2)
  • 2009年07月 (1)
  • 2009年06月 (4)
  • 2009年05月 (3)
  • 2009年04月 (5)
  • 2009年03月 (5)
  • 2009年02月 (2)
  • 2009年01月 (5)
  • 2008年12月 (1)
  • 2008年11月 (4)
  • 2008年10月 (5)
  • 2008年09月 (2)
  • 2008年08月 (4)
  • 2008年07月 (5)
  • 2008年06月 (1)
  • 2008年05月 (2)
  • 2008年04月 (2)
  • 2008年03月 (3)
  • 2008年02月 (1)
  • 2008年01月 (2)
  • 2007年12月 (3)
  • 2007年11月 (1)
  • 2007年10月 (1)
  • 2007年04月 (1)


  • 上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。