無料カウンター 満天ジャズCD倶楽部 2010年10月
 
 
 

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    ■2010/10/31(日) 欧州のピアニストは層が厚いのだ

    突然、京都へ紅葉を観に行こうと家人が言う。その言葉に一瞬古寺を背景にした紅葉が鮮明にイメージされる。明らかにJRのCMの強烈な刷り込みによるのは間違いがない。続いて満開(?)の紅葉を背景に『そうだ京都へ行こう』と白文字のキャッチ・コピーがテロップ状に脳裏に浮かぶ。どうやらここまで私の頭はCM情報に毒されてしまっているようだ。例えば真直にそういう京都の紅葉を見たとしても、それは最早既にどこかで見た映像をなぞる行為でしかない。そう思えてならない。そこで『見たことのない風景を観てみたいものだ』と家人に言うと何を言っているのか分からない・・・というような不思議な顔をした。

    最近読んだ本では、葦原すなお著『オカメインコに雨坊主』が面白かった。彼の作品はどれも好きで殆ど購入している。この作品も文芸春秋社から出たハード・カバーで勿論所持しているが、ポプラ文庫という変わったところから出されたのでこれも購入し一気に読んでしまった。本の背表紙に"スロー・ノベル"と記してあるが、まさにそういう類いの本である。セコセコした気持ちで読んでも面白さは感じられないだろう。この感じは何かに似ているなぁと思っていたら、そうである、深夜にやっていた映画『かもめ食堂』の食感(?)に低通するのだ。何かに癒されたいと思っているのだろうか。『癒し』という言葉はあまり好きではないが、アロマセラピーで使う何とも言えないあの香りは好きだなぁ。。

    これは好さそうな本だなぁと思う本はハード・カバーで購入し、いつか時間のあるときにじっくり、ゆっくり読もうと本棚に仕舞い込み、実際に読むのは機動性に優れた文庫本であることが多い。これは音楽でのアナログ盤とCD盤の関係にどこか似ている。

    修理期間2週間と言われたパソコンが一週間もかからず復帰。修理に出す時、店員さんから保存している情報もどうなるか分からないですねぇと脅かされた。一番痛いなぁと思ったのがI Podで保存していた5,000曲近い音楽関係の情報である。端末機からPC本体に取り込むのはなにがしのソフトが必要であるらしく、これを一から収録すると思うと眩暈がした。が、幸い全く以前と変りない状態で修理から上がってきた。 それら音楽も全く従前と保存されていたのである。不幸中の幸いだ。

    さて、今日の一枚はラックの奥に仕舞い込み、後でじっくり聴こうと思っていたアナログ盤でなくて、CD盤の一枚。ベルギーで開催された Europ' Jazz Contest 90 で入賞した上位4位までの演奏を収録した盤である。久々に取り出して聴くとその素晴らしさに圧倒された。ヨーロッパではこうしたコンテストが頻繁に開催されているんだろう(?)、よく・・・コンペティション優勝だとかCDの帯に書いてあるから、そういう気運が高いのだろうな。切磋なくして琢磨なし(?)流石ヨーロッパ一流の演奏、レベルが高い。目にしたら即入手をお勧めする。

    コンテストの結果は以下のとおりである。

         The 12th Jazz Hoeilaart International  ”Europ Jazz Contest”  Belgium-1990

         ●1st Prize      ・Denmark(Copenhagen)        AZ Team Quartet
         (Shared By)     ・U.S.A.(New York)           Rick Hollander Quartet
         ●3rd Prize      ・France(Paris)              Yes Yes Yes Trio
         ●4th Prize     ・The NeTherlands(Utrecht)     D.Verbeek/M.de Bruin Sextet
     
    因みに5位以下は

         ●5th Prize      ・Sweden(Malmo)            Maggi Olin Trio
         ●6th Prize      ・Poland(Bydgoszcz)          Central Heating Trio
         ●7th Prize      ・U.S.S.R.(Moscow)           Express Quartet
                       ・Iceland(Reykjavik)          S.Floasason Quartet
                       ・Switzerland(Zurich)          Dave Ruosch Trio
                       ・U.S.S.R.(Moscow)           Moscow New Jazz Quartet  
                      
    ここで特筆すべきは優勝したAZ Team Quartet のピアニストがNikolaj Bentzonということである。彼のピアノ・トリオについては以前ブログにも記したが過日やっとの思いで全4枚の蒐集を終えたところである。実にハイスキルでセンシティブ、スリルの壺を心得ている心憎いピアニストである。優勝への牽引をしたのは明らかに彼の力量に負うところは大である。もうひと組、優勝を分かち合った Rick Hollander Quartet のピアニストはWalter Langであり、4位のD.Verbeek/M.de Bruin Sextet のピアニストは Michiel Borstlap、・・・欧州は実にピアニストの層が厚いのである。。


                          
    Oct30_02.jpg
                   V.A. 『The 12th Jazz Hoeilaart International -Europ’Jazz Contest』 
                             (1990年録音 B.Sharp CDS 081)
            
           

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    09:32 | トラックバック(0) | コメント(1) | Favorite Rare CD | Page Top


    ■2010/10/21(木) ノラ・ジョーンズ のパパはラビ・シャンカールか?

    異動で勤務先が変わって以降、都内のDUに行くことも殆どなくなった。端的な変化はクレジットの数字に現れ、支払いは一桁も減額した。家庭的には極めて良好な事なのだろう、家人との関係も至って良好である。反面、趣味的には優れた稀少自主製作盤やら将来の大物廃盤を確実に逃している事は明白、心中穏やかではない。

    さて、今回は久しぶりのヴォーカルの話題で行ってみたい。

    私は上記の理由や生まれついた怠け者であるので、今何が熱い話題となっている盤か、ブレークしている唄い手なのかを把握していない。最新盤と云えばTorun Eriksen、Cara Campanelli、Nicki Parrott、Sophie Milman、Kate Davis くらいなもので、それとてもう時代遅れになっているかも知れない。勿論新作のエデン・アトウッドは買っていない。どうしてもその気になれないのである。

    さて、そこでノラ・ジョーンズである。今更のと云うのがオン・タイムなヴォーカル・ファンの感想であろうが、採り上げるのには訳があった。過日どこかで読んだか聞いたかしたのだが、彼女の親父:パパはラビ・シャンカールであると言うことなのである。ラビ・シャンカールと云えば今から遡ること30年以上前になるだろうか、結構嵌って聴いたシタール奏者だ。ラビ・シャンカール=シタールという位に代名詞的な存在である。当時ラビ・シャンカールはいい歳であったと思うから、もし本当に実親父であるならノラ・ジョーンズは相当な高齢での子供に違いない。

    彼女の盤、確か一枚ぐらいは所持していたなぁと思いラックを探ると、この盤が出てきた。当時正規盤ではなく何か訳ありの盤だと思ったが、忘れた。久しぶりに聴くとこれはカントリー色が随分強いなぁと思った。しかしどこをどう捻ってもラビ・シャンカールとの関連性は見つからない。

    ここまで記して、続く・・・と小休止したのだが、その間に不幸にもパソコンが壊れた。壊れたパソコンを購入先の山田電気、いやヤマダ電機へ持っていくと、幸いにも5年の延長保証をしていたので無償での修理ができそうである。なにやらマザーボード、基盤が壊れたらしい。もちろん理由などはわからない。修理は2週間ほど掛かるらしい。息子がアップルのPCを持っているので貸せと言うと嫌だと断られた。おい、プロバイダー接続は俺が払っているだろうと言うと、無線ランの機器は僕が買ったのだからと、訳のわからないことを言う。PCの支払いだって大本は親父である俺が払っているのだと言おうと思ったが厄介なのでやめた。

    今、出張中で、これはホテルのインターネット・サービスから書き込んでいる。実に便利な世の中である。

    そういうことで少しの間、更新はできそうになく、野良・ジョーンズ、いやノラ・ジョーンズとラビ・シャンカールの関係もペンディングとなる。

    東北の小都市に仕事で来ている。健康のため2時間ほど散歩をした。雲が低く垂れ、風が冷たく、これはまさに冬だなぁと思った。散歩途上ブック・オフがあったので寄り、森 詠の本が数冊あったので買う。彼の古いハード・カバー本はあまり目にしないし、それに驚くほど安価であったので心だけはホクホクである。


                
    Oct21_01.jpg


    23:28 | トラックバック(0) | コメント(2) | Vocal | Page Top


    ■2010/10/17(日) 漁盤アナクロニズム2009

    驚くほど田舎であるが、我が家のそばにジャズのライブ・ハウスがあった。山里にあるその山小屋風の店は週末だけ営業し年に数回、国内のそこそこのミュージシャンを呼んでライブを行った。その昔、音楽関係に携わっていたというマスターはその店の経営に加えピアノの調律などを行い、また奥さんが手芸などを教えていたようだった。数年前、マスターが亡くなりその店も今はない。また、近所の駅の近くの2階にジャズを聴かせてくれる粋な割烹風の店があり、初めておずおずと訪れた時たまたま流れていたのがキース・ジャレットのスタンダーズVol.2であった。これは好いですねとマスターに語りかけると、キースを素直に好きだと言う人が少なくてとマスターがぼやき、トリオ演奏に於けるキースの素晴らしさを語り合ったものだった。ライブの度にハガキで知らせを頂いたが、遂には閉店の知らせが来てその店も今はない。バブル崩壊後、同種同様な例は嫌と言うほど目にしてきたので目新しいことではないが、その都度寂しい想いをしている。ジャズを目玉に何か商売を成り立たせるのは極めて難しい事だと思う。

    ジャスを心底聴きこんでいる人口などたかが知れているし、ジャズを聴いていますと言う人と話をしてみてると決まって入門書的なミュージシャンの代表的な盤しか聴いていないことが多く、どこかアクセサリー的ファッション的スノブ的(?)な感じがしてならない。(音楽の享受など自由で、だからと言って悪い訳ではないのだが・・)つまりはそういうマイノリティな存在であるので商売を画策するのは厳しく、ジャズをもっての商売は困難なのである。

    さて、いよいよ2009年、SJが発行した最後のデータ・ブックとなった。

    益々意気盛んなDon Friedman、前年は新録であったが、1978年録音の旧作がCD化となった。ジョージ・ムラツとロニー・べトフォードを従えたD.Friedman、彼の作品にしては些か力強い感がある。奇しくもあの名盤『サークル・ワルツ』が同年再発されたが、かの盤のリリカルさには遠く及ばない。D.Friedmanの本質は静謐な抒情性にあることを強く感じさせる盤である。内省の要あり。

                ドン・フリードマン
               『レイター・サークル』 
         (1978年録音 BayState BVCJ-34441)

    前年の作品にも劣らない彼女の魅力を最大限に発揮したアルバム。これが2作目とは思えない精神的な強さと余力を感じさせる歌唱、流石と云うしかない。自主製作盤には痛い思いをしたが・・・。

               メロディ・ガルドー
            『マイ・オンリー・スリル』
         (2008年録音 UJC UCCU-1186)

    Rob Van Bavel の古い作品を聴き、改めてこれは凄いピアニストだと思った。オランダには何人か飛び抜けた才の認められるピアニストが居るが、彼はこの系列の正統な後継者である。今回はシリーズ中 En Blank Et Noir.11 としている盤でドラムレス・トリオの傑作である。このシリーズは決して軽視はできない。

                  Rov Van Bavel
               『En Blanc Et Noir 11 』
        (2008年録音 Daybreak DBCHR75437)

    パーカーの偉大さをパーカー以外の音源から聴くのが好きだ。例えばピーター・キングなどアルト奏者のその手の盤があるとついつい手を出してしまう。この盤もそういう類いの一枚だが、それ程の話題性はないと思う(?)。しかし私的には結構気に入っている。スイス産であるのも変わっていて好い。

              Romano Ricciardi
             『Remembering Bird』
       (2008年録音 Romano Ricciardi RR1)

    ジャケ写が掲載できないのが残念だがこの何とも言えないレイジーな感じが堪らない。思わず何も考えずに購入したが、聴くと思った通り堪らない内容であった。こういう風に内容をおのずと語ってくれるジャケ写が好いのだけれど最近はなかなかお目にかかれないのが寂しい。レコード会社はもう少しジャケットの作り込みに熱意をもって欲しいものだ。

               Joanna Rimmer
            『Dedicated To・・・・Just Me!』
         (2009年録音 SAM Productions SAM9013)


    『Michel Petrucciani -Niels-Henning Orsted Pedersen』などの好い盤もあったがまた後日。
    これでこのシリーズは終了だ。
         

    01:42 | トラックバック(0) | コメント(2) | Various  | Page Top


    ■2010/10/16(土) 漁盤アナクロニズム2008

    最近、歳も歳であるので、おおよそのことにそれ程新鮮な感動はないのであるが、あらゆることに対してどうにも面白くないのである。面白くないと言っているが別に腹を立てている訳ではない、新鮮な感動がないのである。ジャズを聴いても然り、本を読んでも然り、一層これらの音楽ソースと音響装置でも売って小さな2シーターのカブリオレ車でも買って乗りまわしてみようかとか色々な気晴らしを考えてみる、が、どれも然して面白くないと想像の域で達してしまう。人生の残り時間について考えるとどうしても自分に拘ってみたくなる。この私と云う感受性を真の感動のヴァイブレーション(?)に曝してみたいのである。しかし具体的に一体それがどういうことであるのか、よく判らないのである。唯々そんな危険な(?)方向性の定まらない衝動に突き挙げられてならないのである。困った中年性の神経疾患である(笑)。

    さてこのシリーズ(?)もあと2回で終了、2008年のデータ・ブックである。

    ミリアム・アルターというベルギーの女性コンポーザー / ピアニストが好きである。音楽の感動を構成する主要件の一つに哀愁感があると思っているこのオヤジ音楽愛好家に、彼女の演奏は深い共感と感動を与えてくれる。車のシートに凭れかかった渋いジャケ写のアルバムは何と云ったか忘れたが、近年稀に見る実に好いアルバムだった。後年澤野商会から(申し訳ないが)出来の悪いジャケットで再発されたが、あのジャケはなんとかならぬものだろうか?で、今回の盤であるが、ミリアム・アルターが作曲と指揮で参加し、どうやら演奏家として鍵盤を叩いてはいないようだが、どこから聴いても彼女の音楽であるのは寸分間違いない。  

              ミリアム・アルター
             『ホエア・イズ・ゼア』
       (2007年録音 Enja VQCT-10001)

    あまり声高には言わないが、基本的にジャズ・コーラスが好きである。特にこればかりはピアノ・トリオと違い、古いところが好いと言うのは間違いない。(ピアノ・トリオでも古い好いものがあるが・・・) で、ジャズ・コーラス、古いところが好いと言うが、シンガーズ・アンリミテッド(混声だが)などは、例外的にほぼリアルタイムに聴いたので今聴いてみると胸が締め付けられるような郷愁が感興される。そこで今回の盤であるが、アンドリュー・シスターズである。ノスタルジーを感じる盤であるが、シンガース・アンリミテッドの喚起するノスタルジーとは全く異質、セピア色の枯れた郷愁感、実に客観的である。

                アンドリュー・シスターズ
                  『素敵なあなた』
       (1937年~1948年録音 Boutique UCCM-4065)

    トリオ・アコースティクは好いピアノ・トリオである。幾つかお勧め盤があるがこの年、驚くべき廉価で発売されたのがこのアルバムである。安かろう悪かろうと思うのは大間違いである。実に芯のある素晴らしい出来である。SJ誌では★4つであるが、こう言う盤にゴールド・ディスクを与える発想はあるのだろうか、いやあったのだろうか。メセニーの"Always And Forever"は最早スタンダーズだと思うがここでも好い演奏が聴ける。

                トリオ・アコースティック  
               『ジャイアント・ステップス』
         (2007年録音 Tapas Records TPRD-001)

    Riccardo Arrighini というイタリアのピアニストが好い。主にPhilology レーベルからの発売が多いと思うが、どの盤も優れたセンスが横溢している。この年、ピアノ・トリオで別なレーベルから発売されたことは知っていたが、デジパックに抵抗があり買わずにいた。後、止む無く購入したが聴いてみると思った以上の出来で、外装に拘っては駄目だと悟った。演奏は一層内省の感が強まったようで私的にはとても感動した。中古市場では沢山出回っているので一般受けはしない盤なのだろう。実に残念である。
      
              Riccardo Arrighini
             『Cambio Di Marcia』
         (2006年録音 Incipit INC 103)

    Don Friedmanの新作が出ると何故かそわそわしてしまう。この盤は特に感慨が深い。"Circle Waltz"のクレジットがあるからである。再演、いや『Circle Waltz - Then and Now』があるので再々演となるのだろうか?今回は一体どんな演奏を聴かせてくれるのだろうか、心配と期待の入り混じったような複雑な想いである。 何しろ初演が素晴らしすぎる・・・D.Friedmanがわが子の様に心配なのである、老人なのに・・・(笑)   

               Don Friedman
              『Straight Ahead』
       (2007年録音 No Coast Jazz NCJR01)


    Melody Gardot の唄を初めて聴いた時、雷に撃たれたように感動した(大袈裟?)。買うに際し、へそ曲がりな私は売れに売れた盤を俯いてレジに差し出したが、その甲斐あり何度聴いても素晴らしい歌唱なので満足した。後、彼女の幻の吹き込みがあると知り入手しようとしたが時既に遅かった。どの店にも在庫がなく遠く海外のサイトで入手をした。しかしこれは聴いてみると意外に期待外れでがっかりした。

           Melody Gardot
         『Worrisome Heart』
       (2008年録音 Universal 1749640 )


    20:44 | トラックバック(0) | コメント(0) | Various  | Page Top


    ■2010/10/13(水) 漁盤アナクロニズム2007

    先日お茶の水橋をJR駅方向から東京医科歯科大方向へ歩いていると何故か右側の欄干に人だかりがしている。お茶の水橋はJR駅と地下鉄丸ノ内線を結ぶ経路となっているため普段でも通行量は多いがその日の混雑は一際だった。原因はカメラを手にした一群の人々で、彼らは欄干から身をのり出したり、またそれ程オーバーな仕草ではないにせよ一様に聖橋方向の外堀を見下ろしている。カメラは殆ど一眼レフで、ライトアップされた聖橋のアーチは本当に美しいので何かの撮影会でもあるのかと思ったがレンズの先を見て、いや、これがあの所謂『鉄ちゃん』ではないかと思い至った。成程、彼らのレンズはもう少し右下、JRお茶の水駅ホームに止まっている新型(かな?)電車に向かっているようだ。

    私の様に興味のない人間には理解できるものではないが、好きなマニアにはあの連結した鉄板の工作物の風情・仕草(?)が堪らないのだろう。

    『憑き物が落ちるように』という形容がある。何かに夢中になっていたものが、何かの拍子に急に興味が失せてしまうようなときに使う形容かと思う。その何か訳のわからないものに突き動かされた様がどうやら説明できないので、憑き物(人知を超えたおどろおどろしいもの?)が憑いたという風に形容したのだろう。で、そういうものが何かの拍子に(・・どんなタイミングで何故なのか、これも理解できないが・・)突然、落ちてしまうことが間々あるのだろう。

    橋上の人々を見て、ふと、その『憑き物が落ちる』という言葉を連想してしまった。いつかぱったりとそういうものに興味を失ってしまうことだってあるのだろう。あれほど熱い視線をおくっている対象にさえ。。

    さて、我がジャズとて例外ではない、そんな危惧を抱いている。

    ところで最もジャズにのめり込んだのはいつの頃だったろう? ジャズの海原、どっちに何があるのかも皆目わからなかった頃、知ったかぶりをしてジャズ喫茶に通い演奏中のジャケットを見ぬふりしてチェックをしていた頃、ジャズ基本アイテムを入門書を片手に聴き漁っていた頃、ウェスト・コーストがお洒落だと夢中になった頃、ヴォーカル盤を訳も分からず片っぱしから蒐集していた頃、コンサートやライブに血道を上げて通っていた頃、欧州ジャズの優越性に酔っていた頃、廃盤と名盤の幻想を求めていた頃・・・今ではすっかり冷めてしまった事もあれば、今でも夢中な事もある。当時の熱中度合いには敵わないが、まだまだ幾枚か追い求めている盤もある。そうした変遷はあるものの、『憑き物が落ちるように』興味を失うまでには至っていない。幾分覚めた心をギリギリに支えているのはジャズの真の(?)感動であると云うと大袈裟かな。

    さて2007年のデータ・ブックである。

    国内盤ではザ・バッド・プラスが印象的だった。安易にロック色が濃いというフレーズを使いたくなる誘惑に駆られるが、実のところロックと一口に言うのもなんだか乱暴である。このバンド(と何故か言いたくなる・・)は特徴的なリフが新鮮で、最近のピアノ・トリオの傾向の一つにこうした判り易いリフが多用されていると思う。従来のピアノ・トリオの基本線がメロディアスとすれば、これがもう一方の趨勢であるのだろうか。ロック~フュージョン~ジャズ路線の私には全く違和感はない。
        
                  ザ・バッド・プラス
                    『プログ』
          (2007年録音 Do The Math Records UCCM-1122 )


    勿論これは発売当時アナログで聴いたものだ。LPでは2枚組のライブ盤で、それをカセット・テープに録音し、いやと言うほどドライブ中に聴いたヘビー・ローテーション盤である。ジョージ・ベンソンではこれが最高傑作だと確信している。国内発売されるより前に輸入盤CDで聴いていたが、こうしたアルバムは断然CDの形態が似合う。所謂フュージョン音楽はCDの出現を待って開花すべきだったと愚にもつかないことを考えた。
    ジョージ・ベンソンはウェスの後継者と目されてスタートしたというのが大方の見方だが、この時期に来てより大きく飛躍したと思う。歌心ある満ち満ちたテクにメローなヴォーカル。一際の想いがこもった盤でもある。

                 ジョージ・ベンソン
               『メローなロスの週末』
         (1977年録音 W.B. WPCR-25052)

    輸入盤では定番のDog Arnesen 、Lynne Arriale 、Michel Bisceglia、Mark Copland等の輸入盤はありふれているので割愛する。今回はダニーロ・レアの率いるユニット『ドクター3』というピアノ・トリオをとりあげたい。演奏曲が昔聴き馴染んでいたポップ・ミュージックを中心に、低俗に流されることないセンシティブな演奏を聴かせてくれるので大変気に入っている。今回のアルバム『Blue』には"Close To You” "Fire And Rain" ・・・言うまでもなくカーペンターズとジェームス・テーラー(キャロル・キングかな?)のメロディアスな名曲が収録されていて、題名を目にすれば一殺である。確かニール・ヤングやボブ・ディランの曲なんかも演っていたと思う。実に好い傾向である。

                Doctor3
                『Blue』
       (2006年録音 Via Veneto Jazz VVJ059) 


    チャーリー・ヘイデンは一体何枚のデュオ盤に参加しているのだろう。人生の目標をデュオに賭けているのだろうか?ジャズの範疇ばかりではなく、ブルース盤にまでクレジットされていたのには驚いた。きっと参加する未知の盤がわんさかあるのだろうな。今回は馬鹿テクギタリスト:Antonio Forcione とのデュオ盤で素晴らしく密度の高い演奏を聴かせる。ヘイデンは少し前にジョン・テイラーと極美のデュオ盤を作成したが、この盤はそれにも充分比肩しうる素晴らしい演奏である。やってくれるなぁ。

         Charlie Haden-Antonio Forcione
              『Heartplay』
         (2006年録音 Naim CD098)

    Svein Olav Herstad のピアノは凄い。1,000,000,000,000で、いや一聴で直観できる。石畳に足が写った名盤があるが、私的にはこの2006年録音の『Inventio』により感激している。精緻にして熱い演奏が名曲を彩る。こういう盤だけをコツコツと聴いていけたら素晴らしいジャズ人生となるだろうな。

            Svein Olav Herstad Trio
                    『Inventio』
      (2006年録音 Jazzaway Records JARCD033)    

    20:19 | トラックバック(0) | コメント(0) | Various  | Page Top


    ■2010/10/11(月) 漁盤アナクロニズム2006

    休日の昨日、妻と連れだって田舎の街をドライブした。駅の構内に温泉のある渓谷沿いの街に着いたころには初秋の夕刻が近くなっていた。どこかで夕食をとろうということになり、大昔行ったことのある田舎料理の店を思い出し、妻に美味しいものを食わせてやろうと大言壮語してしまった。しかしその実、所番地など知らず大雑把なイメージでしか記憶がなかったので、暗い夜道をナビと勘だけを頼りに心細く進んで行った。辺りは街灯もなく段々と寂しい道になり、本当にこんなところにそんな店があるの と妻がさかんに訝る。幸い走ってゆくと一軒のコンビニが夜道に明るく在ったので小物を買ってその田舎料理の店を尋ねた。幸いにも若い女性店員が知っておりもう直ぐ先とのこと、やっとの思いで辿り着いた田舎料理店だった。田舎にしては法外な値段の『ほうとう饂飩』を食べたが、豪華で美味しかったので“うるさがた”の妻も納得した。しかし本当に“やれやれ・・”の一日であった。

    さて2006年のデータ・ブックをひも解くと。。

    何よりも驚いたのはビヴァリー・ケニーのデビュー前のデモ・テープの音源が発見されCD化されたことである。邦題『二人でお茶を』である。早世した彼女の盤は6枚しかないと思っていたので実に嬉しい晴天の霹靂であった。しかもピアノだけを唄伴にした、シンプル好きな私には何より増して嬉しい盤である。それにしてもなんという愛らしさであろうか、しかも単純な愛らしさではなく、微量なハスキーさが堪らない歌唱のスパイスになっている。所々に入る軽い笑声さえ愛おしい・・・完全に参りましたの一枚である。
    ところでこの盤の題名であるが、アルバムには確かに”Tea For Two”は収録されているが、ジャケに大きく『Snuggled On Your Shoulder』と記してあり、またジャケ写のイメージからすれば『君により添えば・・』ぐらいな感じで好いだろうに・・・まあ、いいか、この可愛さ。

              ビヴァリー・ケニー
              『二人でお茶を』
    (1954年頃録音 Cellar Door Records XQAM-1003 ) 

    ヨアヒム・キューンは特別な存在である。『スピリチュアル』という言葉が最も似合うピアニストである。この盤は既に輸入盤で聴き、その凄さはわかっていたつもりだが、改めて大音量で聴くとその凄まじい演奏が怒涛の様に襲いかかってくる。故にとうとう国内盤発売となったに違いない。特に”Nightline”の先鋭的な演奏は聴く度にジャズの『喝』を入れられるような気がしてならない。マイケル・ブレッカー、ボブ・ミンツァーの活躍も特筆ものだ。

               ヨアヒム・キューン
           『ナイトライン・ニューヨーク』
     (1981年録音 Another Side Of Jazz QSCA-1027)

    Katrine Madsen もまた特別な歌い手である。大雑把な括りは好きではないが、敢えて分類すれば前記のビヴァリー・ケニー等の所謂キュート系のヴォーカルとは一線を画す。強いて言えばディープ系、ムーディ系などと括れるだろうか。そんなマドゥセンが共演歴のある男性ヴォーカリスト、これもまたディープな歌い手であるSvante Thuresson と創り上げた絶品である。バックには、これも深い味わいのピアニストClaes Corona がトリオでサポートする。最早ここまで達するとFemale/Maleの区分も然ほど意味がないだろう。
        
          Svante Thuresson -Katrine Madsen
                 『Box Of Pearls』
       (2005年録音 Stunt Records STUCD 05142)

    実のところ、この Tim Whitehead と Giovanni Mirabassi の『Lucky Boys』を聴いてから他のテナー盤が聴けなくなって困った時期があった。彼らの直球的でブルージーなジャズは真っ芯で受けるより他がなく、そのストレートな演奏に感動の核心を射ぬかれてしまったのである。この感動は大昔に聴いたCCRである。泥臭い真っ直ぐなロック魂(笑)である。

           Tim Whitehead-Giovanni Mirabassi 
                 『Lucky Boys』
        (2005年録音 Home Made Records HMR050)
             

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